アリスの作り方
目の前に広がる静かな教室、周りの友達はみな教科書を見ていたり、黒板を見たり、景色を眺めている。

そして教壇には眼鏡をかけた長身で爽やかな、20歳くらいの若い男性……化学の雨宮先生。



雨宮先生が嫌な笑みを浮かばせながら私を見ていた。


「えっ……あっ……はい」


頭の中が整理つかず、混乱している。
ティックに連れてこられたあの世界……あれは……夢。
学校帰りに異世界に連れてこられるなんて可笑しい話、夢以外考えられない。

やっぱり……夢なのだろう。

「俺の授業で寝るなんていい根性だな」

私が頭の中を整理させるのを待ってくれないようで、雨宮先生は話を続けていく。



私がした行動は……



授業中に叫びながら、席を立つ……。
状況的にありえない。


「す……すみません」
「じゃあ目覚めの一発だ。この問題を解いてみろ鈴村」



そう言いながら、雨宮先生は黒板を指差した。



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