アリスの作り方
「……。」
どうして急に……夢みたいな所にいて、気付いたらジョーカーさんが目の前にいて、それから私を捕らえるって……。
未だに頭の整理がつかない。
「此処まで無理やり連れてきてごめんね」
突然後ろから聞こえた抑揚の無い声。
何故か聞くだけで心臓が跳ねた様にバクバクとせわしなく脈打ち始める。
そんな様子を気付かれないように、冷静を保ちつつふわりと後ろを振り向くと、何処からか現れたのかクロノスさんが無表情で立っていた。
“ドクン”
緊張のせいか、更に心臓の鼓動が聞こえるくらいにはやくなった。
どうやら私はクロノスさんの力で此処まで来たようだ。
「クロノスさん……。」
彼と目が合った瞬間、自然と口が開いた。