アリスの作り方
“ストン”
ティックと共に少し走ったくらいだろうか、私の目の前に急にナイフが落ちた。
「白ウサギ。この前の借りがあったな?」
その音と共にスペードさんが私の視界に入った。
「ルイ様。逃げて下さい」
スペードさんの盾になるように私の前に立つティック。
このまま居たら私は彼の足手まといになる。
「ティックお願い」
「はい」
そう思い、ティックの顔を真剣に見つめてから私は敵のいない方向へと走った。
だけど……。
「縲ちゃん。僕達も居るよ」
「ジョーカーさん」
そう言いながら、私の目の前にジョーカーさんと王子様が急に現れた。
この状況は戦わなきゃいけない……。
そう思いながら、右もものホルスターからダイナを抜いた。