アリスの作り方
「ジョーカーさん」
私の声で周りの兵士たちが私の方向を向く。
「ジョーカーさん!!」
手からダイナを離してジョーカーさんに近づいた。
兵士達に捕まるかもしれない。けれどそれよりも私はジョーカーさんの事が心配でたまらなかった。
「……。」
私の言葉に対して、何も言わずに地面を見ているジョーカーさん。
“ドクドク”
緊張のせいか私の心臓の音が何時もよりはやく鼓動を打っている。
「どうしたの……。」
何と言葉をかけていいかわからない。
「ジョーカーさん」
そんな彼の返事を待ちながら私は黙々と彼を見つめていた。