アリスの作り方
「頭が……。」
何もできずに私はただジョーカーーさんを見つめていた。
するとジョーカーさんが両手で頭を抑えながらその場にうずくまった。
「い……た……い」
そうかすれたような声で言うと、話すこともままならないのかその場にうずくまるとハァハァと荒い息をしはじめた。
眉間にしわが寄るくらい思い切り目を閉じながら、体はもがく様に小刻みに震えていた。
「ジョーカー様」
突然のジョーカーさんの異変に誰も反応できなくて兵士達、ティック達そして上司であるスペードさんはただ立ち尽くしてみているだけだった。
「ジョーカーさん。大丈夫ですか」
ジョーカーさんの唇も紫色に変色していき、体からもつらいせいか、脂汗が出ている。
それが状況の緊迫さを証明しているようで私は固唾を飲んで様子を伺っていた。
「ジョーカーさん」
肩を揺さぶりながら意識を戻そうとさせるがそれも無意味だったらしい。
「僕はだ……。」
そう呟いた瞬間私の腕の中に崩れるように倒れてきた。
そして……
今までの様子からは考えられないくらい彼がピクリとも動かなくなった。