アリスの作り方


「アリスを保護してくれと女王様もおっしゃっていたではないですが」
「そんなの信用で……。」「隊長!」


ジョーカーさんが何かの引き金だったのか、スペードさんが私をかばうように何かを話す。


「そんなことおっしゃらないでください」
「そのことが女王に聞かれたら!」
「ちっ」


スペードさんは舌打ちを一つすると、分かったと言いながら地面に目線を移した。


「国民の手前“裁判にかける”そうおっしゃっていたではないですか」


そう、スペードさんに話しかける兵士。
私は自分の事なのに他人の事のように感じ私は裁判にかけられるんだと考えるだけだった。


「スペード!」


私同様に今まで喪失していたティックが私の目の前にたった。
ビルさんは私の後ろでナイフを出しながら様子を伺っていた。


「俺はアリスを捕えろと言われた。だからお前らに関しては何も言われなかった」


淡々とした口調で話す。


「アリスを渡せ……いい」「嫌です」


スペードさんが全てを話そうとしたが、ティックが凛とした姿勢で割り込んだ。
その様子がとても男らしくて、その背中が大きく見えた。



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