アリスの作り方
「はい。あっていますよ」
そのせいかティックのその一言に妙な安心が出てくる。
けど、そしたらこれからどうするんだろう。
「けどこの部屋、出口がないよ」
唯一の出口は先程の入口である。
もしかしたら、この部屋に唯一あるドアを開けたら、どっかに瞬間移動しているとか……それはないな。
それでも、二次元のような、夢のような今までの状況から考えたら、ありうるな……。
と言うか。
夢……
「夢!!」
「は、はい?」
今、もしかして私は夢を見ている?
今までの状況に流されて受け入れていたが、今この状況は普通にありえないだろう。
「あ、ごめん。何でもない」
けど目の前の少年にそんな事を言っても信じてもらえない。
だって、私にとってこの世界が夢でも彼にとっては現実のようなものなんだし。