アリスの作り方


“コンコン”


どれくらい寝ていたのだろうか、誰かがドアをノックする音で目が覚めた。


「うぅー」


欠伸をしなが瞼をこする。


“コンコン”


急ぎの用事でもあるのか、誰かが軽く扉を叩く音が再び聞こえる。


スペードさんだろうか?


「入っても構わないですよ」


瞼を擦りながらベットから出ると、そうノックの主に言った。


それから間もなく、勢いよくドアが開いた。

「ルイ様!」

その声と共に現れたのはボウ君。


ただちょっと妙な違和感があった。


目の前にいるボウ君はいつもの毒々しさなど全くなく、とても柔らかい感じがする。


それにボウ君は私をお姉さんと呼ぶ。


つまりは……。



「ティック」



でしょう……。



12、3歳くらいの子に変身してあんまり違和感無いのは流石としか言えないが、いつものウサギのたれ耳のようなクセ毛をストレートにして、その上に金髪の桂と黒いシルクハットをかぶっている。

ウサギに様な深紅の瞳もカラコンでも使ったのだろうか、真黒な色に変っていた。



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