アリスの作り方
「はい。ボウ=シャトルフルにお願いしました。少し無理があるので違和感があるかもしれませんが」
私がそう目の前に人物にたずねると、いつもの優しくて、少し高め声でそう恥ずかしがりながら言った。
確かに私が小学生のような格好をするようなものだ……。
けど彼が気にしている違和感と言うものは全く感じられない。
ただそんなこと思っても口にしたら厄介な事になりそうだから言わないが……。
「どうしたの?」
話を反らすようにたずねた。
けど気になるのは本当だ。わざわざ変装までしてこんな所に乗り込んできたのだろう?
それにさっき泣きながら別れたばっかりだ。
ここまであっさりした再開ならば、先程のかなしみがまるでなかったようになってしまったみたいで嫌だ。
「はい、ルイ様に用事があったので……。」
そんな風に思っている私とは正反対に、真剣な表情で重々しくティックが口を開いた。
「もしかして……脱獄?」
そんな中ひとつ思い浮かぶ、脱獄なんて漫画なんかではよくある話だ。
この窓の下にビルさんが待機していて……なんてよくあるシチュレーションが頭に浮かんだ。