アリスの作り方


「はっきり言ってわかりません……たぶん……女王はこのことも計算していると思います」
「この事?」
「僕たちが女王暗殺の計画を立てていることも」
「ならどうしてここに……」


ここにティックがいるのだろう。
いやな言い方だがここでティックを始末するのが一番手っ取り早い。
こう見えて彼のおかげで私が存在しているようなものだ。


「余裕……何か考えがあるということです」


その言葉が私を見下しているようでいやだった。


私はまだ未熟なのだろう。


「だから……それを逆手に取ります」


表情を歪ませながら、天井を見つめていると、ティックが言葉を続ける。
急いで視線をティックの方に移動させる。


「つまりは?」


察しの悪い私には彼の考えている計画が分からない。


あぁ……私は救世主失格だ。


「裏をかくのではなく正面から、明日の結婚式に女王暗殺をします」


ティックから発せられた言葉は単純なものだった。


「つまりは……特攻?」


なんて簡単な作戦なんだろう。


確かに戦略に疎い私にも分かりやすいが、行き当たりばったりのようであまりいい感じはしなかった。



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