アリスの作り方
後ろを振り向くと、扉の目の前にボウ君とチェシャがいた。
「お姉さんは僕が狙っているんだけど……勝手に自分の娘にしようとしないでオバサン」
挑発的にトーン低めに言うと、何処からか取り出したのか拳銃が現れた。
「ねぇチェシャ。花嫁を奪い取るってシチュレーション、かなり燃えるね」
「久々だね。こんなに面白いの」
そう隣でチェシャがクスリと気持ち悪い笑みをした。
「ルイ様お持たせいたしました」
その後ろには、ティックとビルさんが武器を構えながら立っていた。
「女王、あなたを倒します」
“カチャ”
ブーケを思い切り投げ、太ももにかけていたダイナの照準をを女王に合わせた。
「こざかしい。アリス……お転婆も度を過ぎると可愛げがなくなるぞ」
“シュ”
私の拳銃を壊すように何処から出したのか女王から鎌が飛んできた。
ダイナには3発入っている、弾き飛ばせば良い。
“ガチガチ”
そう頭では分かっているのに、焦りで手が思うように動かない。
間に合わない……。
駄目だ私がここでやらなきゃ……。
“カン”
死が垣間見えた瞬間、私の目の前に金属音が聞こえた。