アリスの作り方
「私を殺したら……。王子は死ぬぞ」
オウジハシヌゾ
一つ一つ丁寧に出てきた言葉……
女王の言っている言葉の意味がわからなかった。
「どういう事」
動揺を誤魔化すため怒鳴るような口調になった。
「心のない人間が生きれると思うか?王子は私が存在しているから生きている」
「……。」
「何のためにお前と王子を近づけたと思う?お前を王子に惚れさせる為だ」
それからまた悪女の様な笑みをした。
「何でクロノスさんは死ぬの!!」
おかしい、おかしいと叫ぶが誰も何も言わない……。
武器を構えたまま様子を伺うように、私と女王を見ているだけだった。
「さあアリス。式を続けよう」
女王の言葉が右から左へと流れていく。
「……クロノス……さん」
何を言っているかわからない。
けど……女王が消えたらクロノスさんも消える。
それだけが理解した。
私のせいで……
クロノスさんが死ぬ……。
「やだ……やだ……」
やだ……
クロノスさんがいなくなるのは……
「ルイ!」
クロノスさんが大声で私を呼んだ。
驚きでビクッと動きが止まった瞬間……
私の手を重ねるようにクロノスさんが拳銃を握った。