アリスの作り方
「ルイ」
私の時間を再び動かしたのはクロノスさんの一言だった。
飛ばしていた意識が元に戻ると、私はクロノスさんと目が合った。
「どうやら僕は死んでしまうようだね」
私と目が合うと口を開いた。
相変わらず淡々とした口調。
まるで自分の死すら恐れていないように。
「クロノスさん……。」
目の前の現実を受け入れたくなかった。
いやだ……
だって……
私は……
あなたが……
好きなんだから……
頭の中に現れたのは今まで否定していた気持ちだ。
こんな時にはっきりしてしまうなんて……。
突然現れた気持ちは抑えられなく、気付いたら私は消えそうなクロノスさんの体を抱きしめていた。
「クロノスさん……。」
お願い消えるなんて、言わないで。
ジョーカーさんみたいに、私の目の前から居なくならないで。