アリスの作り方
草原の中に座りながら、目の前の光景をみるととても気持ち良くなって、眠くなるようだった。

「ふぁー」

っと大きく欠伸をしながら目の前の青年を見ると彼はクスリと笑いながら、ここはルイの言う童話の世界みたいなのかななんて言いながら目の前の花にふれた。


「ルイって王子様みたいだね」


それからそうだっと言いながら、私の目の前の美青年が脈絡もなく不思議な事を呟いた。
青年っていってもその辺にいるような青年ではなく、銀髪のサラサラヘアー、性格も所謂天然で、物腰も柔らかい王子様だ。
しかも、今目の前の花にふれているその姿でさえ、絵画の作品ではないかと思うほど、気品が漂いすぎている王子様が……。


「えっ……」
「だってルイの国の王子様はお姫様の呪いを解くんでしょ」


クロノスさんが微笑みながらそう言った。
確かに……以前、ルイの国にはどんな王子様がいるのか、聞かれたので、王子様がお姫様に口づけをして呪いを解いた話をした。


「あぁ……確かに」
「だから僕の呪いを解いてくれたルイは王子様だよね」


フフっと柔らかく微笑みながら言った。


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