アリスの作り方
振り返るとそこには私を心配そうに見るティックの顔。
初めて間近で見るティックの顔についつい見とれてしまう。
どうしても"美少年""可愛い"と思ってしまうティックのイメージとは違い意外と凛々しい端整な顔立ちをしている。
それに背も私より高い。
そんな風に考えながらティックを見つめていると急にとても白い頬に朱がかかった。
「すみません、そんなに見つめられると照れてしまいます」
とてもあたふたしている。
「あっ……ごめん。もう大丈夫だから」
そういいながら涙を拭う。
「そうですか」
何故か口惜しそうに私を抱きしめていた手をおろす。
頬にはまだ朱がかかっている。
“クスリ”
女の子に見つめられて顔が赤くなるなんてやっぱり子供みたいだと、さっきの男らしかったうかつにも笑ってしてしまった。