アリスの作り方


「何を笑ってるんですか?」

少し不機嫌な表情でティックが言う。

「ティックって可愛いなぁーって」

からかい半分で微笑みながら言った。今度はどんな反応をするのかなんて考えながら


「……。酷いですよ。僕だって男なんですよ」


まるで拗ねている子供のようだ。
その行動一つ一つすら可愛く見えることには気付いていないのだろうか。

「ごめんっ!ごめんねっ!冗談だからさ」

「いいですよ。気を遣わなくても……いつものことですし」

私が目線を合わせようとしても反らしてしまう。
本格的に機嫌を損ねてしまったようだ。


どうしよう……私は助けを求めるようにドードを見た。
すると今までにやにやという擬音が似合いそうな顔をしていたドードが口を開いた。

「ティックそろそろ機嫌を直したらどうだ?アリスさんもこうおっしゃっているんだし」


「ドード、アリス様の味方するの?僕は悪くないのに……。」

「当たり前じゃないか、それに君はアリスさんの従者、アリス様に忠誠を誓っているだろう」


まるで屁理屈のような台詞、だがそれ以上ティックに丁度良い台詞はないみたいだ。



「わかりました」


まだ少し不機嫌な様子だが、私の顔を見ていう。
そんなティックを見てから"ありがとう"とドードを見ると"パチッ"と一つ私にウィンクをした。
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