アリスの作り方
「もうそろそろ陸に着きますよ」
しばらくして不意にでるドードの言葉。
異世界の町…――一体どの様なところかと前方を見て見ると妙な景色が見えてきた。
海の中から木が生えている……。
よくテレビで見たマングローブ林のような可愛いものではなく、何十年……いや、何百年も生えていそうなずっしりとした木だった。
「……。」
私は一瞬歪んだティックの顔を見過ごさなかった。
その光景を見ているティックはとても真剣で、私は何となく目の前の景色が異様だと悟る。
「又"新しい涙"が流れたんだね……。」
ティックが呟く。
「あぁ」
ドードも今迄からは考えられない真剣な口調だった。