アリスの作り方
それから一時間くらい走ったくらいだろうか、相変わらず変わらない景色が私を通り過ぎていく。
そういえばさっき思ったようにやっぱり不思議の国だからなのだろうか、もう普通ならばてているはずなのにまだかなり余裕がある。
最初長時間マラソンなんて絶対無理と
(マラソンなんて見ているだけで十分だ。自分からするほどスポーツマンではない)
頭の中で考えていた言い訳は無意味だったらしい。
良いような悪いような妙な感じだ。
「ハァ……ハァ……。」
そんなことを考えながら走っていたら、前方のティックのようすが少しおかしくなった。
私が何も言わないからかペースは緩めていないが荒々しい息づかいが聞こえる。
「ティック」
少しペースを緩めながら声を掛ける。
「は…い。ハァ……ァ…ハァ……リス様」