アリスの作り方

「少し休む?」


「僕なんかに……お気づかいは不…ハァ……要です」


たぶんこのままじゃギリギリまで無理する。


「私は休みたい……な」


苦笑いしながら言うと今まで走っていたティックがやっと止まってくれた。

私を第一に考えてくれるのは嬉しい……けれどそんな風に自分を犠牲にまでされると少し寂しくなる。



私はまだ何にもしていないのに……。


「どうしましたか?」

「い…いえ、なんでもないです」

「本当ですか?」


そうは言いながらも落ち込んでいるのは見てわかる。
たぶん自分に対して気を使わせているとでも考えているのだろう。


「うん……。だから……もう少し自分の事を大切にしたら。私にそんなに気をまわさなくてもいいんだから」

私はティックに優しくそして寂しく話した。
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