アリスの作り方


「どういう意味?」

「さーな。いつかお前を捕まえたら教えてやる」


試すように……そして面白そうにいう。

「じゃあ一生わかりそうもないですね。」

苦笑いしながら言い後ろを向き急いでティックの元へと行こうとした……その瞬間……。



「そうだ。アリスちゃん」


今度はジョーカーさんが声を掛ける。

「何ですか?」

振り返りながら顔を見ると、真剣な顔をしている……。


「……。」


そのせいか少し表情がこわばってしまう。

「俺もあんたと同じ……。まだ女王様からご命令出てないからこう話しているケド。命令されたら……」


「次はたぶん“本当”の敵同士だから。」


笑顔なのに少し悲しそうで、見ていると私も胸が苦しくなるような気がした。
私と同じで出来ることなら武器を持ちたがらないような……私と似ているような不思議な感じ……。


私の元いた世界なら当たり前だが、ここは常識が違う不思議の国……その中では特異なのだろうのジョーカーの存在に。
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