アリスの作り方

「やめてよ、そんな悲しい顔されたら。しかも滅多に会えない可愛い女の子だよ。どうすればいいかわからなくなる」

そう目線をはずしながら言う。


「ごめんね……早く先行ってくれないかな、そして…もう振り返らないでね……。」

冷たくも……どこか寂しげな口調である。
そんな彼を気にしながらも振り返らずにティックの元へと急いで向かった。


そして何を話していたのか気になっているような表情のティックに対しはぐらしながら再び先へと進んでいった。


博打は私の負けだったらしい。


途中浮かないまま整理のつかない頭の中を一つずつ整理するように、何度もスペードさんとジョーカーさんの言っていた言葉を思い浮かべていた。

不安な心を落ち着かせるように自分に対し“大丈夫まだ私は何も知らないから”と逃避にも似た台詞を呟いて次の場所へと向かっていった。


出来ることならこのまま何も知らないままでいたいと願いながら。


そんなことばかり考えていて私は気付かなかった。




この3人の話していた言葉の一つ一つが重要なことだなんて…。
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