アリスの作り方
二人と別れてどれくらい経っただろう。
あれからしばらく私はティックの後ろを走っていた。
延々と続く森、走っても走ってもずっと続く光景にうんざりしてきそうだった。
あぁいつになったら目的地につくのだろう、そんな風に考えていたら、急にティックが止まった。
と言っても目的地らしいものは見当たらなかった。
「……。」
どうすればいいかわからずとりあえずティックの様子を見ていると、キョロキョロと周りを見ている。
怪しい人がいないか見ているのだろうが、そんなティックが一番怪しい気がするのは言わないであげよう。
そんな事を考えながらしばらくティックを遠目に見ていた。
「大丈夫です」
しばらくしてティックが挙動不審な行動を止めると、私を安心させるように優しく言った。
「ここに僕らのアジトがあるんですよ」
そう言うティックの目線を見てみると目の前には木があった。