アリスの作り方


「?」


目の前を見てみるが、特に変哲のない木である。


「この木の中にある……といってもたぶん信じられないと思いますが」


苦笑いするティック。
確かにこんな変哲な木の中にアジトがあるなんていわれても、納得するほうがおかしい話である。


だがここは“常識の通じない”不思議の国である。


「信じるよ」

苦笑いしながらティックを見た。


「本当ですか」


相変わらずのオーバーリアクション……私にどう突っ込んで欲しいのだろう。


「まぁね……」

ティックを軽く流しつつもう一度木を見る。


(痛そう)


木の中に入るなんて今まで経験したことがないので、見ているだけで恐怖が私の心の中を少しずつ支配していく様だった。
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