アリスの作り方

屋根や壁はパステルカラーで、なんとなく小さい頃読んだことのあるお菓子の家という感じだ。

目の前にいる少年にはすごく似合うような…もちろん悪い魔女ではなく、迷った子供の方で。



そんな可愛らしい家だが正直私は遠慮したい。

状況的にはここに滞在という雰囲気が出ているが、出来るなら別の選択肢が出てきて欲しい。
だがそんな私の考えとは裏腹にティックはそんなメルヘンハウスへと向かう。


家の前……ドアへと向かうとティックはインターホンを押した……。



“ピンポーン”



その行動は自然だったが、なんとなくこの家にはそれがかなり不釣合いな気がして、行き場のないもやもや感が心の中に広がった。



“バタバタ”



しばらくすると誰かが現われたようで足音が聞こえる。


“ガチャ”



その人は手際よく鍵を開けたのかすぐに目の前のドアが開いた。



「お帰りティック」
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