アリスの作り方
そう思ったのもつかの間、そんな私の優越感が誰かの足音によって急に崩された。
とても急いでいるような不規則の足音。
(忙しそうだ)
なんていまだ見えないその足音の主に対して考えていた。
しばらくすると足音の主が角を曲がったため私の目の前に現われる。
どんな人だろうそう思いながらなんとなく興味本位で足音の主を見てみると。
私はその人物に目を奪われた。
不思議な子……そうとしか表現できなかった。
中学生くらいの男の子なんて言い方をすると、その辺にいそうな男子中学生を想像するが、その少年は特異だった。
透けそうなほどとても色白い肌に、白とも銀ともいえぬ白銀のきれいな短髪。
とても白い体をしていた。
そんな中に一つだけ主張しているように目立つ深紅の瞳。
白ウサギ……彼を一言であらわすのにこれ以上丁度いい言葉はないだろう。
背もそこまで高くなし、とても華奢な美少年。
そのせいかついつい見とれてしまった。
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