星屑
スッチはヒロトの友達の中で、唯一まともなので信用出来る。


ヒロトもスッチにだけは気を許しているらしく、あたし達3人は、街中の適当な居酒屋に入った。



「いやぁ、フィーバーしちゃった。」


スッチは上機嫌で酒を煽る。


ヒロトも当然のようにビールを流し、あたしはそんな様子を呆れた顔で見つめていた。


てか、何でヒロトがあたしの隣なのかわかんないけど。



「ところで奈々ちゃん、カレシと別れたらしいじゃん。」


「いつの話してんのよ。」


「なら、今ってフリー?」


「フリーじゃなきゃ、あんたらとこんなとこ来ないわよ。」


大体、こんな時間にこんな脂っこいもの食べてちゃ太る。


枝豆の豆だけ取り出していると、それを奪うように横からヒロトが手を出してくる。


その手をぺしっと叩くと、何故だかスッチは大爆笑をした。



「ふたり、喧嘩しながらも仲良いんだし、もう付き合っちゃえば良いのに。」


ヒロトがあたしの顔を見るので、またぺしっと叩いてやった。



「お前さぁ、その殴る癖どうにかしろよ。」


「うるさいわねぇ。」


「大体、そんなツンケンしてっからすぐ振られんだよ。」


「振られてないし!」


正直、スッチがいてくれて助かった。


ヒロトはこの人の前だとさっきみたいな顔をしないし、大抵のことはスッチが笑って流してくれるから。

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