星屑
「ところでスッチはカノジョいんの?」


「いないんだなぁ、これが。」


「マジ?
何か見えないね。」


そうかなぁ、と彼は困ったように笑う。


笑ってから、「気になる子はいるけど。」と言って手羽先を食べた。



「おいおい、それって俺も初耳なんだけど。」


ヒロトは身を乗り出したように眉を寄せる。


あたしの話から逸れてくれたので、正直ほっと安堵した。



「だって誰にも言ってないし?」


「つか、誰?」


「絶対言いませーん。」


ヒロトは舌打ちを混じらせた。


ぶっちゃけると、スッチが誰を好きだろうと、あまり興味はないのだが。



「それよりヒロトこそ、西女の子とどうなったんだよ?」


スッチが思い出したように聞くと、彼はあたしを一瞥した。


だから、何でそこであたしを見るのかがわからないが。



「別にあんなの暇潰しっつーか?」


まるであたしに対して言い訳をしているように、息を吐き、彼は背もたれに体を預ける。


スッチはぷぷっと笑い、彼まで何故だかあたしを見た。



「奈々ちゃん、これってどう思う?」

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