星屑

沈黙の中で長い睨み合いが続き、ヒロトは相変わらずの舌打ちを混じらせ、体を離す。



「マジ、気分悪ぃ。」


それはこっちの台詞だけど。


でも、これ以上怒らせても収拾がつかないだろうし、あたしは言葉を飲み込んだ。



「何でよりにもよって土屋なんだよ？」


それは勇介だって思ってるだろうし、あたし自身、何でこんなことになってんだかがわかんない。



「アイツだけはやめとけよ。」


「それってどういう意味で言ってんの？」


「そのままの意味。」


その言葉は、単に勇介が嫌いだからか、それとももっと別の何かがあるからか。



「つーか、何で俺じゃねぇんだよ？」


「あたし別に、何も言ってないけど？」


「じゃあ言えよ。」


責めるでもなく向けられた瞳は、なのに歪んだものだった。


ヒロトもまた、あたしに答えを求めたがる。



「ヒロトのことは好きだよ。」


「んなこと聞いてねぇだろ。」


「じゃああたしにどうしろって言うのよ！」


思わず声を荒げた瞬間、ガシャーン、と台の上の物が散らばった。


正確には、ヒロトが苛立ち紛れにひっくり返した、と言った方が正しいのだろう。



「マジで俺、何でこんな女が好きなのかわかんねぇ。」