星屑
委員会が終わる頃にはもう、陽も沈み掛けていて、外は薄暗くなっていた。


何も入っていないバッグを持ち上げ、帰ろうとするあたしを勇介が呼び止める。



「奈々、帰んの?」


「あたし別に、学校に寝泊まりしてるわけじゃないしね。」


そう返すと、じゃあ一緒に帰ろうよ、と彼は言う。


さすがに驚いたが、彼もまた、何も入ってなさそうなバッグを持ち、立ち上がる。


後ろの後輩女子からの視線が痛い。



「送ってくよ。」


「いらないよ。」


「そこまではっきり言ってくれると逆に嬉しいね。」


肩を落としてみれば、夜だし危ないじゃん、と彼は言う。



「大丈夫、送り狼はしないから。」


その笑顔が嘘臭いんだけど。


あからさまに怪訝な顔をしたあたしを見て、勇介はふっと笑った。



「それとも何かしてほしい?」


馬鹿じゃないのか、と思い、早々にあたしは教室を出た。


と、いうか、こういう場所で勘違いをされそうな発言は迷惑極まりない。


なのに勇介は、そんなあたしの後を追ってくる。



「待てって!」

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