A sense of distance

その時

今までどおりの学校生活。
でも…
このあたりをきっかけに
いろいろなことが
一気に音を立てて
崩れていったんだ。


まず、彼との関係だった。
なんとなく…
ズレ始めていった。
メールがこなかったり…
心配性だった彼からは、
メールがこないなんて
ありえなかった。
でも、忙しいのかな?
って。4ヶ月くらい
経ってたし、
いつまでもベタベタ
って訳には
いかないのかなって
思ったりもした。
でも…本当に
申し訳なかったと
思ってるけど…

彼なりに悩んでた。
でも気付いて
あげられなかった。
ある日…初めて
喧嘩したんだ。

理由は些細なことだった。

そのときに…
彼はただ自分を責めていた。

ゴメン…
ただその一言が重かった。

それから、
微妙な空気が流れることが
多くなった気がした。


でもそれでもなんとか…
今までどおりに戻れた。
気がしてた。


彼の家でいつもどおり
のんびり過ごしてた。
彼は眠っていて…
私もウトウトと
し始めたときだった。
…彼の携帯が鳴った。
聞いたことのない着信音。
ディスプレイには
知らない女の人の名前。
名前で登録されている
ことに疑問を持ったけど…
彼を起こした。
そして彼は切れてしまった
電話に不満を言いながら
着信履歴を見たらしい。
一瞬。たった一瞬
だったけど。
彼は、眉間に
しわを寄せた。
でも、何事も
なかったかのように
携帯を閉じた。

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