未練〜キミガスキ〜
「なんだよブスどもが。ちかよんな。」

「もぉ〜優冷たぁい!」

「そぉよ〜 久々に会ったってゆ〜のにさぁ」

「黙れ。失せろよ」

「じゃあ,優の彼女借りていい〜?」

「あぁ?ざけんな。行こう。はる」

あたしは何にもできなかった。ただ…あの人たちが怖くてたまらなかった。
あたしたちに声をかけたのは…

リカ,マユナ,カオリ。

三人共,優を好きだった。この三人だけには会いたくなかったのに…
だって…
だって…。
あたしはこの三人のせいで,深い傷を負ったんだ。


心にも…

身体にも。

あの事を思い出すと,精神的に安定できなくなってしまう。
自分が自分でないような…そんな感じ。まわりの人すべてがあの三人に見えて,あたしを笑っているように思えて…
あの時の状況が目の前に…頭の中に広がる。






「はるき!」

「あっ…ゴメン。」

「また…あの時の事思い出してたのか?」

「あ…うん…」

「安心せぇ!俺がおるやろ」

「ぁりがと…」

「ほ〜ら!行くぞ!」



優…ありがとう。
優が手を握ってくれてたから,あたしは落ち着けたよ。
ありがと…。




それから,つい最近まで使ってた教室に行ってみたり,お世話になった先生に会ったりして,まるで小学生に戻ったかのようだった。

あたしは,小学生に戻れたらどんなにいいか,どんなに楽しいか…本気で考えた。



一通り廻って,あたしたちは近くの公園に行く事にした。


「はる〜何飲む?」

優が自販を指差して言う。

「じゃあ…あったかいミルクティー!」

「ほーい!」

「ありがとっ!あったかいね〜」

「てか,熱くね?」

「そんな事ないも〜ん!」

「ふ〜ん。俺はコレ〜」

「ブラック!?」

「おうよ!」

「砂糖入ってないよ?間違えたの?」

「何言ってんの〜?ブラックじゃなきゃありえん!」

「えっ!ありえなぁい!」

「ミルクティーよりはうまいから!」

「ふ〜んだ!やっぱりミルクティーがお〜いし♪」

あたしはミルクティーを一口のんで言った。

「ブラックのほうがうまいよ!飲んでみ?」

< 7 / 8 >

この作品をシェア

pagetop