十字架のペンダント〜ワタシとアナタを繋ぐモノ〜【短編】
…………ん??
『ワンワンワンッ!!』
段々声が大きくなってくる………
『ガルルルルゥ……』
………うそ。
気付いた時には遅かった。
牙を剥き出して私を睨み付けてる大きな犬が後ろに立っていた。
「やだ、来ないでよ……」
私は目に涙をためながら追い払おうとしたが、犬はそんな事お構い無し。
唸りながらゆっくり私に近づいてきた。
「お母さん!!お母さん!!」
必死に叫んだけど、誰も来る気配はなかった。
それどころか、犬はさっきより怒りだしてしまった。
「うわぁぁぁん!!」
誰か来てよ………
私は心の中で祈り続けていた。