sick
「で話しって何?鈴木さん」
裏庭に移動してすぐに話しかけた。
こっちとしては早く話しを終らして帰りたい。
「名前知っててくれたんだ」
とても嬉しそうに言う。
実際知ってたわけじゃない。
坂本がさっき喋ってたから知っただけ。
「で 話しは?」
いい加減うざくなった俺。
相手もそれがわかったのか少し慌てた素振りをみせた。
「えーっとそのー。
ずっと格好良いなって思ってて気が付いたら好きになってました。付き合ってください。」
少し潤んだ目をして上目遣いで俺を見てくる。
このやり方で何人の男を落としたかは知らないけど俺には全く効かない。
「悪いけど無理」
断られたのが意外なのかびっくりしたかのような顔をした。
「な、なんで無理なのよ。他に好きな人いるの?」
焦ったかのように聞く。
「好きな奴なんかいない。単に君に興味がない。ただそれだけ」
女はワナワナと震えだし「てめぇだってただ顔がいいだけだろ。」と捨てゼリフを残して去っていった。
これだから女は嫌い。
裏表が激しすぎる。
本性なんてろくなもんじゃない。
ふぅ。とため息をついて教室へと歩きだした。