sick
「私ね・・・病気なの」
「えっ・・・」
2人っきりの部屋に沈黙が数十秒程流れた。
先に沈黙を破ったのは詩保の方だった。
「病名言ってもわからないと思うから簡単に言うと、心臓が生まれつき悪くて、人と長い間接することが出来ないの。体力が人より少なくて・・・。
人と話しても体力って使うでしょ。学校って6時間じゃない。私は今最大で4時間なの。休憩なしで人と居れるの・・・。
それに歩いたりとか授業とかでもっとたくさんの体力がいるの・・・。
私にはそれに耐えることが出来ないの・・・。
ごめん。自分から話しといてなんだけど、今日は帰ってくれない?
せっかく来てくれたのにごめんなさい。
ちょっと疲れちゃった。
お願いだから帰って・・・。」
「・・・わかった」
ガタッと椅子から立ち上がった音がした。
「リビングに蛍斗達がいると思うから、少し疲れて休むから今日は帰ってくれる?って伝えといてくれない?」
「わかった。伝えとく」
ふとんの中にもぐった詩保の耳にバタンと扉の閉まる音が聞えた。