sick
ソファーに腰掛けいい番組がないかとチャンネルをまわす。
『難病と戦う子供達について取材しました。』
まわしてた番組からそんな内容が聞こえてきた。
難病と聞き、詩保の顔が浮かびチャンネルをまわす手を止めた。
ガチャ
「ただいま」
玄関から母親の声が響く。
「あら。帰ってたのね。おかえり。翔がテレビ見てるなんて珍しいわね」
「ああ。ちょっとな・・」
「難病と戦う子供達か・・・。可哀想よね。まだこんなに小さいのに。外とかで元気に遊びたいはずなのにそんなことも出来ないでずーっと病院にいるんでしょ。学校にもいけないで」
「学校ってそんなに行きたいもんかな・・?」
「そりゃあねぇ。学校に行けば友達とかいるじゃない。病院生活よりは全然いいでしょうねぇ」
「そうだよな・・・」
「どうかした?翔」
「なんでもない。俺部屋で勉強してくるからご飯になったら呼んで」
バタンとリビングのドアを閉めて部屋に戻った。