恋の証
真っ暗な世界。
寒くも暑くもない、空気なんてあるかじたいが分からなかった。
世界が存在しない。
私がまばたきしてるかも分からなくて、苦悩と奇妙な瞬間が頭にこびりついた。
「…信、也…」
ふと、彼の名前を呼んだ。
胸が高鳴って、走り出した衝動は止まらない。
「信也!私来たんだよ、逢いたかったから来たんだから!!…ごめんね信也、私信也がいない世界は辛いの、ねぇ信也…」
「ねぇってば!…しんやぁ……」
私を助けて、
君の体温が感じたい、
親に逢いたいよ、
三つの気持ちが重なっている、
だけど私は瞳を閉じて
世界を諦めるように捨てていった。