恋の証
「…か、…はるか!……遥!!」
ぱち
目を開いた。
辺りは真っ白の病室で、前には母さんが立っている。
涙を目に溜めていた母は、私を強く抱きしめた。
「…ごめん、私」
「ごめんじゃないよ!あんた、信也くんの気持ちを泡にする気なの!?」
背中をバシバシ叩きながら、母さんは更に強く抱きしめる。
痛い、
私の脳が機能していた。
「信也……、ごめん」
私、馬鹿だったんだね。
信也の事しか頭にないとか理由をつけて、本当は自分の事しか考えてなかった。
「…信也…」
もう、大丈夫。
頑張って信也の分も生きるよ。
そう心に告げて、
私は笑った。