[短編]在りし日の記憶
母は窓の外の満開の桜を見て、優しく微笑んだ。
「…奈々津……ありがとう………。」
そういって、母はゆっくりと、眠るように目を閉じた。
ピー―――――――…
母は息を…引き取った。
「おかあさん??」
小さい私は状況が読めていないようで、戸惑っていた。
「……お母さんはね…天使になったんだよ…。
天使になって…奈々津ちゃんを見守ってるよ………っきっと!!」
そういいながら、私は泣いていた。