[短編]在りし日の記憶


「おねえちゃん。」

病院のロビーで、落ち着いていた私に、小さい私がなにかを持ってきた。

「なに??」

「おかあさん、てんしになっちゃったんだよね…。」

「……うん。」

私は、また泣きそうになるのを必死にこらえた。

「………おねえちゃんにこれあげる!!」

「えっ…??」

小さな手に乗っていたものは、桜の押し花。

きっと、病院の庭に咲いている花だろう。


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