[短編]在りし日の記憶


「おかあさんっ。」

やっと病院に着いた頃にはお母さんは弱っていて、話すのがやっとだった。

「あら…奈々津……。」

小さい私はお母さんの胸に飛び込んだ。

「きょうねぇ、奈津おねえちゃんにあそんでもらったんだ!!」

「えっ…そんなっ。」

そんな風に紹介されると恥ずかしい。

「あら。ありがとうございます。」

私は、泣きそうになるのを必死にこらえて、ペコッとお辞儀をした。



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