[短編]在りし日の記憶
「…奈々津……。」
母は、遺影の写真と何も変わらない笑顔で私の名前を呼んだ。
「なぁに??」
母は何かを悟ったような、悲しい笑顔で私にこう、言った。
「奈々津…。
あなたの未来は、決して楽しいことばかりではないかもしれない。
いいえ。辛いことばかりかもしれない。
でもね。
辛くても、それを乗り越えて行くから、人は強くなるの。
きっと、奈々津にはたくさんの仲間ができるわ。
仲間を信じて。」