またいつか会おうね
そよ風が緑の稲を揺らした。
僕は、一人でも寂しくない。
ただ、なんで僕が嫌われているか、それが分からなくて苦しいんだ……

「あ、黒猫だ! ここにあの黒猫いたよー!」

また、子供達が僕に向かって石を投げ付けてくる。
僕の反応の方が、遅かった。

ガンッ

僕の右前脚で音が鳴った。

(痛いっ!)

僕は、右脚を引きずりながら、必死で走って逃げたよ。
途中で何度も背中と頭に石が当たった。
僕は、走りながら泣いた。
< 4 / 33 >

この作品をシェア

pagetop