愛しの俺様くん
背中がぞくっとした。

普通の女の子だったら、嬉し過ぎて失神してしまうところだけど、

あたしは別の意味で失神しそうだよ…。

「あはっ……あははは……」

もう苦笑いしかできませぇん!!

「…保健室。行ったほうがいいですね」

片瀬水紀はそう言うとあたしを軽々く持ち上げた。

はっはぁああ?!

もう女子の叫び声…いや悲鳴は半端なかった。

「いやー!!!」だの「きゃー!片瀬くんやめてぇ!」だの言っていた。

そのまま片瀬くんはつかつか歩く。

おっ降ろせぇえええ!!!

あたしは心の中で叫ぶしかなかった。

ほんとに本当に降ろしてぇええ!!!


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