愛しの俺様くん
「あとなにがあるのよ!!十分素晴らしいじゃない!!」

美貌。頭脳。運動神経。財産。

すべてをかねそろえた人。

他に素晴らしいところはどこよ。

「中身よ。な、か、み!!」

なかみぃ??あぁ。片瀬くんは王子様みたいに優しいんだった。

「はいはい。王子様みたいに優しいんでしょ。」

「そうよ!!そうなのよ!!」

瞳をキラキラさせながら言う南。

王子様みたい優しい人なんてあたしは興味ない。

「あっ!!王子きたきた!!」

南が嬉しそうに言った。

いつまにか廊下にでていた、あたし。

はぁ…。早く今読んでる小説読みたい。

速くいけよ片瀬水紀。

イライラする。なんでゆっくり歩いてんのよ。

無駄な笑顔振り向きやがって…。

叫び声が一段と大きくなる。

「やーん!!!おうじぃ!!」


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