愛しの俺様くん
なんて声出してんのよ。南。

一緒にいるあたしの身にもなってよ!!

片瀬くんは5組。そしてあたしは4組。

だから隣のクラス。

片瀬くんがやってきた。

ちょうどそのときあたしと片瀬くんの目があった。

にこっと爽やかな笑顔を向けてきたので、めちゃくちゃ嫌な顔をしてやった。

ふんっ。あたしに爽やか笑顔は効かないないのよっ!

ゴンッ!といい音が廊下に微かに響いた。

「いっ……!」

たぁい!!痛い。痛い。めちゃめちゃ痛い!!

涙目になって見上げると南がいた。

「みっ…なみ。なにするのよー!!痛い!!」

ぐーであたしは南に頭を殴られた。

頭がっ……割れる…!

「せっかく王子に笑顔を振り撒いて頂いたのに、なに嫌な顔してんのよ!」

振り撒いて頂いたって…、あいつは本物の王子様か!!

片瀬水紀の背中をおもいっきり睨んでやった。




「席つけー。HR始めるぞー」

毎朝恒例の王子様騒動も、片瀬くんがクラスに入ったことで終わりを告げた。


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