愛しの俺様くん
「馬鹿。次、体育よ!」

「えっ!うそ!!!」

急いで椅子から立ち上がる。

「速くっ。王子が見れなくなるじゃない!!」

あー…。はいはい。王子様ねー。

南にぐいぐい腕を引っ張られながら廊下を歩く。

唯一、5組と合同授業なのが体育。

だから授業を受けている片瀬くんを見れるのは、体育だけなのだ。

「…ぶっ!」

いきなり前を歩いていた南が止まった。

いたたた。今度は鼻がぁ…。

「南っ!!いきなり止まらないでよっ!」

「しょーがないじゃない。前に王子がいるんだから」

はぁあ???またぁ?どんだけあたしに怪我させんだよ!片瀬水紀ぃ!!

むかつく。むかつく。むっかつくー!!!


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