風鈴



そんな症状が何日も続いたある日。



今度は、母も同じような咳をするようになった。



「お母さん、川端先生に診てもらいましょうよ」



と急かしても、母は、



「そうねぇ、明日にでも行こうかしら」



と言っては、毎日畑に出て行く。



「寒さのせいで治りが悪いだけだ」



と言ってきかない父は、もう畑仕事もできないほどに衰弱していた。




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