風鈴



「ふ、ふさ、房子さ…」



動揺が激しく、舌が回らない。



一方の市哉は、目を細めて優しい微笑みを浮かべていた。



「その依頼、たしかに承ったよ」



「…?!」



「ああ、よかった!市哉先生なら、きっとそう言ってくださると思ったわ」



「房子さんったら…」



紫は心底困って、真っ赤になった両頬を手の平で包んだ。




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