運命の扉
2人で話し込んで、気付くと外はオレンジ色に染まっていた。
「プリント、先生に届けなきゃ!」
すぐ終わるはずの仕事なのに、だいぶ時間は進んでる。
わたわたとプリントを出席番号順に並び替え、男女分重ねた。
「かなり時間取らせちゃったし、俺が職員室持ってくよ。莉奈は帰る準備してて?」
「えっ、でも…敬ちゃん部活あるんじゃない?」
「今日は朝練だけだから大丈夫!」
「ありがとう」
「途中まで送る!今の時期、変な人多いから!」
「そんな気遣いしなくても大丈夫だよ。」
「だ〜め。すぐ戻るから待ってて!」
敬ちゃんは走って教室を出て行った。
カバンを机に置いて、携帯を取り出す。
【新着メールあり】
ディスプレイにメールの着信を知らせるメッセージが表示されてる。
受信BOXを開くと、莉紗からのメールだった。
『委員お疲れさま★〃
優斗から1人で帰ってって言われちゃった。遅くなってもいいから、莉奈一緒に帰ろう?教室で待ってるから、終わったら来て下さい。』
1時間前のメール。
急いでAクラスの教室に行くと、ポツンと席に座ってる莉紗がいた。