運命の扉
「莉紗!」
「莉奈〜。終わったの?」
「ごめんね、今メールに気付いたの。」
「ううん。先に帰ってれば良かったんだけど…やっぱり寂しくて。」
「とりあえず、うちのクラス移動しよう。同じ役員になった子と途中まで帰る約束しちゃったから。」
あたしと莉紗はBクラスに移動して、真中くんを待つことにした。
「役員の子って男の子?」
莉紗が首を傾けた。
「真中敬って子。優斗と美佳は『有名だよ〜』って言ってたんだけど、知ってる?」
「知ってる。」
莉紗は小さく頷く。
「知ってたの?」
「うん。1年生のときに声かけられて。莉奈のこと聞かれたの。莉奈には声かけたこと内緒にしといてって言われたよ。」
やっぱり、あたしだけ敬ちゃんの存在を知らなかったんだ。